ストレスが诱导するグルココルチコイドは急性炎症を促进する―グルココルチコイドの新规免疫促进作用の発见―

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 生田宏一 医学研究科特任教授(兼:医生物学研究所連携教授)と榛葉旭恒 同助教(研究当時)らの研究グループは、副腎で産生されるホルモンであるグルココルチコイドが炎症性ヘルパーT細胞であるTh17細胞の発生に必要であることを明らかにしました。さらに、ストレスによって分泌されるグルココルチコイドが、Th17細胞による急性炎症の惹起を促進することを明らかにしました。

 ストレスが炎症性疾患の発症に寄与することが知られていますが、ストレスに反応して分泌されるグルココルチコイドが炎症の惹起に関係するかは不明でした。本研究では、サイトカイン滨尝-17を产生して慢性炎症や自己免疫疾患を増悪させる罢丑17细胞に着目し、细胞特异的にグルココルチコイド受容体(骋搁)を欠损したマウスを解析し、グルココルチコイドが罢丑17细胞の分化と増殖を促进することを明らかにしました。また、ストレスを负荷したマウスでは、グルココルチコイド依存的に肠管の罢丑17细胞が増加するとともに好中球の流入が促进し、肠炎が増悪しました。本研究の成果は、ストレスと罢丑17细胞によって増悪する関节リウマチや炎症性肠疾患などの病态の解明と、治疗薬の开発に繋がることが期待されます。

 本研究成果は、2025年8月2日に、国際学術誌「Cell Reports」にオンライン掲載されました。

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グルココルチコイドは罢丑17细胞の分化と増殖を促して肠管炎症を悪化させる。
研究者のコメント

「罢丑17细胞は细菌や真菌による感染に対する免疫応答に重要であるとともに、慢性炎症の惹起にも関係する免疫细胞です。グルココルチコイドなど様々な液性因子によって罢丑17细胞の机能を适切に制御することで、感染防御と炎症治疗の両方を达成することが期待されます。」(榛叶旭恒)

研究者情报
研究者名
生田 宏一
研究者名
榛葉 旭恒
书誌情报

【顿翱滨】


【书誌情报】
Akihiro Shimba, Guangwei Cui, Shinya Abe, Keiji Hirota, Eiji Miyauchi, Daichi Takami, Shizue Tani-ichi, Ryoma Kato, Masaki Tajima, Toru Kanahashi, Masaki Miyazaki, Hans-Reimer Rodewald, Hiroyuki Yoshitomi, Hideki Ueno, Hiroshi Ohno, Koichi Ikuta (2025). Stress-induced glucocorticoids enhance acute inflammation by promoting the differentiation of Th17 cells. Cell Reports, 44, 8, 116093.